「杏、ここ出てみて」
ある場所に案内されて、扉の向こうに出てみると、ベランダ?だった。
「え、めっちゃ綺麗…」
ベランダからの景色は、夜のライトアップされた街中がキラキラと輝いていて、とても綺麗だった。
龍神の倉庫にこんな所があったなんて。
私が知らなすぎなのかもしれないけど。
「いい場所だよ、俺さ気分を落ち着かせたい時に来るんだ」
それで私にも教えてくれたのか。
「教えてくれてありがとう。私も時々、ここに来ていい?」
「いつだっていいんだよ。杏は龍神の仲間なんだから」
「そうだね」
当たり前のように言ってくれて嬉しい。
「…杏、あっち向いて目を閉じて
「うん?」
私は言われた通りに、響希に背を向けた。
シャラッ
「冷たっ」
首元にヒンヤリと何かが当たった。
目を開けて、その何かを見る。
「…え、ネックレス?」
星をモチーフにしたネックレスだった。

