「杏、今日は地味子なのね」
「まぁ、皆が見慣れてる方でね」
「目が合っただけでクラっとするから、それでいいと思うよ!」
えーと意味が分からない…。
「そのうち、地味子は辞めようと思ってるよ。伊達メガネも結構疲れるし」
元々、目が悪くないから眼鏡はかけないし、度が入ってないレンズでも変な感じがするんだよね…。
「俺は杏がどんな姿でもすぐに分かるから…」
分かるから?
「…」
え、黙り?
「つまり、杏には地味子でいて欲しいって言ってるのよ、響希は」
「…?まぁ、いいけど」
地味子でいるメリットとは?
「地味子をやめたら、まだマシになると思うんだよね。貴方たちのそばにいると、私が浮いて見えるからさ」
「そんな事ない」
でも地味子を辞めたら、
こいつイメチェンした!!って思われるかな。
でも、それは響希には関係ないよね?
どうゆう事だろ。
「響希も大変ね」
「…」
「そういえばさぁ!杏達が拉致された時、響希さ杏にスルーされたよね!」
「え?」
…スルー?
話が急に変わったと思った、また自分の話だった。
「あー、確かにそうね。あれは惨めに感じたわ」
「杏ちゃんったら、Sだねぇ〜」
…は?え?
「お前ら…それは俺に対してのいじめか」
なんとも言えない顔をしている響希。
「響希さんに同上っす…」