「生意気なんだよ!!人の彼氏取りやがって!!」

怒りに満ちた彼女の顔はマジな表情だった。正直、なんでこんな事を言われなきゃいけなんだろう。

そんなことを冷静になって思ってしまった。私は今、ピンチなんだけどね。


「あなたの彼氏なんて取ってないよ」

バチンっ

「ッっ…」

痛い。頬を思いっきり叩かれた。ジンジンと伝わるその痛さで顔をしかめた。



「ふざけんな!!私達はね、中学の時から付き合ってるの!3年以上よ!!なのになんで、なんで知り合って数カ月のアンタなんかに取られなきゃなんないのよ!!!」


ガッッ!!

「ゔぐッ」

蹴りが飛んできて、みぞおちにヒットした。
そんなことまでするの?ここ学校だよ?お決まりって感じの校舎裏だけどさ。

あぁ、視界が……。

普段なら避けられるのになぁ。
がっちり両脇から二人に抑えられてたらさすがに抵抗ができない。

おまけに足首が捻挫中だし。されるがままだよ。

本当、なんでこうなるんだろう。


最悪。






ごめん、咲良。




私、もう無理。