2 「靴箱」

学校から帰ってきて部屋に入ると、真っ先に携帯のLINEを開く。

まぁ、いじめっ子って言っても、友達の1人や2人はいる。

少女マンガとかでよく見る、両端にいる人、みたいな。

中学からずっと一緒のクラスだった紗奈と萌果は、一生親友だと思ってる。向こうがどう思ってるかは知らないけど。

きっと嫌なんじゃないかな?こんないじめっ子の私のことなんて。

…ちょっと聞いてみよっかな。

〜LINE〜

私 「ねぇねぇ」
紗奈『なに?』
萌果『どしたー?』
私 「正直に言って欲しい。紗奈と萌果って、私のこと嫌い?」

…送っちゃった。

ちょっぴり返事を聞くのが怖い。

もし嫌いなんて言われたらどうしよう。

さっきは全校生徒が怯えて寄ってこないなんて言ってたけどほんとはメンタルが豆腐並みに弱いのだ。

いじめが楽しいと思ってるのは事実なんだけど。


ピコン♪︎

あ、来た

紗奈『ぜんぜん!嫌いじゃないよ!中学から一緒にいるんだから!』
萌果『そうだよ!でも、なんで?‪w』

いや、なんでもない、とだけ送って、夜ご飯を作っているお母さんの手伝いに行った。

今日のご飯はカレーか。

私はお母さんの作ったカレーが1番好きだ。

もちろんお母さんのことも好きだ。だから、学校で私がいじめっ子だということは黙っている。

「いただきまーす」

「ん〜!美味し〜!」

こうやって私は家族の前ではいい子のフリをしている。

『舞美、最近学校はどう?』
お母さんにそう言われた。
「楽しいよ。」
『誰かをいじめたりしてないでしょうね?』

そう言われた瞬間、ドキッとした。

え、知ってるの、?
そんなわけない、だってお母さんの前ではこんなにいい子にしてるのに、、

「いじめなんてするわけないじゃん笑


そう言ったが、心の中ではすごく焦っていた。