わがままな女神たち

「もう、俺の知らないところで酒なんて飲むなよ」

「そんな、働いていれば付き合いだってあるし、私にだって飲みたいときもあるの」
つい、いつもの調子で言い返した。

「旦那が浮気したときとか?」
「それは・・・」

なんだか、今夜は乃恵の劣勢。
どれだけ言っても勝てる気がしない。

「飲みたくなったら俺に言え。飛んで帰って付き合ってやるから」
抱きしめられたまま頭をポンポンと叩かれる。

「うん」
今度からそうする。

「それと、お互い言いいたいことは言い合って、嘘のない夫婦でいよう」
「はい」

「麗子や一華に言う前に、必ず俺に言うんだぞ」
「はいはい」

「怪しいなあ」

「徹も、隠し事はせずに何でも話してね?」
「ああ」


きっとこれから先だって喧嘩はするだろうし、泣いちゃうこともあると思う。
でも、1つずつ積み重ねて本当の夫婦になっていこう。

すっかりお酒の抜けてしまった乃恵に、徹の唇が重なる。
いつも以上に熱を持った口づけによろけそうな乃恵を、徹が支えている。
息を切らせ、絡み合い、溶け合ってしまいそうな思いが何度も水音を立てる。

ダメだ、これ以上立っていられない。

一旦放れようとした乃恵を徹が強く抱きしめた。