わがままな女神たち

「ちょっと驚きすぎ」
ギロッと2人を睨む麗子。

「もしかして、お兄ちゃんが初めての人ですか?」

乃恵が聞きたかったことを、一華が聞いてくれた。

「ええ、そうよ」

「嘘」
思わず心の声が漏れてしまった乃恵。

一華は口を開けたまま動かない。

「だって・・・。2人は違うの?」

「「そりゃあ、まあ」」
なぜか声がそろう。

恋愛経験は人それぞれ。
乃恵だって経験豊富な方ではないと思っている。
でも、これだけ綺麗な麗子が・・・

「綺麗すぎるのも大変ですね」
一華の呟き。

「何言ってるの、大金持に嫁いだことを散々愚痴った人が」
「ああ、そうでした」

知らない人が聞けば贅沢で嫌みな会話なんだろう。
それでも当人にとっては違う。
人それぞれ立場があって、悩みがあって、思いがある。

「結局、乃恵ちゃんが一番幸せね」

一華の言葉で、乃恵が顔を上げた。

「そうですか?」
そんなことはないと思うけれど。

「私ももっと勉強しておくんだったわ」
一流大を卒業した一華の言葉に、

「しがらみばっかりで窮屈な仕事ですよ。私はどちらかというと、普通の主婦になりたいのに」
これが乃恵の本音。