新しく用意された席に案内された3人。
改めて支配人に詫びられ、さっきよりも豪華な料理と飲み物を用意され、何もなかったように女子会が再開した。

「やっぱり携帯は水没してしまって、もうダメですね」

乃恵も麗子も携帯をワインで濡らしてしまった。
支配人からは弁償を申し出られたけれど、大事にしたくなくて丁重にお断りした。

「麗子さん、携帯つながらなくて大丈夫ですか?」

徹は連絡なんてしてこないだろうけれど、孝太郎はかけてくるかも知れない。

「うん、一晩くらいなら大丈夫よ」

本当かなあ。

「お兄ちゃんに連絡します?」
唯一無事だった携帯を差し出す一華。

「いいわよ。明日会社からすれば大丈夫」

「心配しますよ。お兄ちゃん、ああ見えてヤキモチ焼きなのに」

さすが妹、よくわかっている。

「大丈夫よ。みんな私が遊んでいたみたいに言うけれど、全然もてないのよ。孝太郎だって分かっているわ」

「もてないわけないじゃないですか」
これだけ綺麗なのに。

「本当よ。男性と付き合ったのも孝太郎が初めてだし」

「「えええぇー」」
乃恵と一華の声が重なった。