「それに、」
「まだあるの?」
一華の驚いた顔。
「仕事で帰ってきた徹から香水の匂いがするんです」
「香水?」
「ええ」
医者なんて仕事をしているせいか、乃恵は匂いの残るような化粧品は使わない。
最低限の化粧はするけれど、自分の匂いで相手に不快な思いをさせたくなくて普段から気を遣っている。
だからかな、余計に人の匂いは気になる。
「私が聞いてみましょうか?」
早速携帯をとりだした麗子。
「やめてください」
乃恵は麗子の手を止めた。
「どうして?何かの誤解かも知れないじゃない。本人に聞いてみるのが一番でしょ?」
それはそうなんだけれど・・・
「実は、仕事でないのはわかっているんです」
帰宅が遅くなって、会話がなくなって、徹から避けられている気がし出して1ヶ月ほどたった頃、乃恵はある行動に出た。
「私、GPSのアプリを徹の携帯に」
「入れたの?」
「はい」
それも、本人には黙ってこっそりと。
「乃恵ちゃん、結構大胆ね」
なぜか一華が笑い出した。
「すみません」
後から考えれば、バカなことをしたと思う。
だから、よっぽど気になるときにしか見ないことにはしている。
でも帰りが遅いときに確認すると、徹はいつも会社とは違う場所にいる。
もちろん、仕事で社外にいるってこともあるけれど、いつも同じ香水を付けて帰るってことは何かあるとしか思えない。
「まだあるの?」
一華の驚いた顔。
「仕事で帰ってきた徹から香水の匂いがするんです」
「香水?」
「ええ」
医者なんて仕事をしているせいか、乃恵は匂いの残るような化粧品は使わない。
最低限の化粧はするけれど、自分の匂いで相手に不快な思いをさせたくなくて普段から気を遣っている。
だからかな、余計に人の匂いは気になる。
「私が聞いてみましょうか?」
早速携帯をとりだした麗子。
「やめてください」
乃恵は麗子の手を止めた。
「どうして?何かの誤解かも知れないじゃない。本人に聞いてみるのが一番でしょ?」
それはそうなんだけれど・・・
「実は、仕事でないのはわかっているんです」
帰宅が遅くなって、会話がなくなって、徹から避けられている気がし出して1ヶ月ほどたった頃、乃恵はある行動に出た。
「私、GPSのアプリを徹の携帯に」
「入れたの?」
「はい」
それも、本人には黙ってこっそりと。
「乃恵ちゃん、結構大胆ね」
なぜか一華が笑い出した。
「すみません」
後から考えれば、バカなことをしたと思う。
だから、よっぽど気になるときにしか見ないことにはしている。
でも帰りが遅いときに確認すると、徹はいつも会社とは違う場所にいる。
もちろん、仕事で社外にいるってこともあるけれど、いつも同じ香水を付けて帰るってことは何かあるとしか思えない。