わがままな女神たち

「2人とも忘れているようだけれど、私は母なのよ。それも授乳中のね」

「はあー」
乃恵が納得したように頷いた。

それでも、『何?』って顔をする麗子。

「授乳中の母親の飲酒はよくないんです。絶対に飲むなって訳ではありませんが、できるだけ避けるべきなんです」
乃恵の説明に
「へえー、大変ね」
麗子が素直な感想を口にする。

一華だって、なにが何でも飲まないと決めているわけではない。
たまに飲んだって問題ないかなと思うときもある。
でも、少しでも優華に影響があるかもしれないと思うと、欲しくなくなってしまう。

「一華ちゃんも、ちゃんとお母さんしているのね」

まだ新人で今の乃恵よりも若かった頃の一華を知っている麗子からすれば、感慨深いことだろう。
一華自身だって、「お母さん」と呼ばれることへの違和感は未だに消えない。
それでも優華はかわいいし、お父様もお母様もよくしてくださる。
今はただ浅井の嫁を勤めるしかないんだと、自分に言い聞かせている。