わがままな女神たち

守口から連絡をもらって、一華に電話をかけた。

時間を見つけて何度もかけてはみたが、出てくれる様子がない。
コールはするんだから繋がっているんだろうが、全く出ない。

「浅井本部長、お時間です」
遠慮がちに声が掛かる。

もう30分もすれば、大きな会議が待っている。
何十人ものスタッフが2年もの時間をかけて準備した事業計画が動き出すかどうかの瀬戸際。
個人的な思いだけで会議をぶちこわすことはできない。
しかし、

「クソッ」
思わず声に出てしまった。

大阪から東京なんて飛行機なら1時間ほど。できることなら今すぐ帰りたい。

「本部長、お願いします」
なかなか動かない鷹文にしびれを切らせ、別のスタッフが呼びに来た。

「わかりました」

責任ある立場としてここに来た以上、投げ出して帰ることはできない。
一華のことは気になってしょうがないけれど、今は責任を果たすしかない。

「すまないが電話を1本して向かうから、少し待っていてください」

スタッフを部屋から出し、鷹文はもう一度一華に電話した後、別の相手にメールを入れた。