「難しいなぁー。」
夜ご飯を食べた後、お姉ちゃんと二人で早速手紙を書く練習。
思うように字が書けない…
筆圧が濃すぎて、消しゴムで消し始めた途端に、消しゴムは真っ黒。
次に消すときなんか全く消えなくなっちゃった。
どーしよう!
消しゴムが無駄になっちゃった…
「お姉ちゃ〜ん!消しゴム新しいのちょうだーい!」
「えー、しょうがないな〜。」
お姉ちゃんは机から新しい消しゴムを出すと、私の机に置いた。
「ありがとう!」
「それで、手紙は上手くいってるの?」
「全く…」
私の手紙を見た途端、お姉ちゃんは大きなため息。
「これじゃあダメだね〜。」
お姉ちゃんは、私の手紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てた。
「あ、捨てちゃうの〜?」
「だってこんなに汚い手紙、もらっても嬉しくないでしょ?」
「あぁ…」
「もっと違う紙に練習しないと。ほら、あそこの裏紙とか。今捨てたのは、本番用の手紙。ね?」
「うん…」

「やった〜!終わった!!」
「ほんとに?お姉ちゃん見せて!」
あれから一時間後。
やっと手紙を書き終えたお姉ちゃんは、私に手紙を見せてくれた。
「うわぁー!すごく綺麗な字!読んでもいい?」
「いいよ。」
「えぇ、なになに?」
私は声に出して読み始めた。
「涼介へ。この間はお手紙ありがとう。初めて男子に手紙をもらったからすごく嬉しかったよ。本当にありがとう。私が、初めて涼介と話したと…」
「ストップストップストーーップ!」
お姉ちゃんは顔を真っ赤にさせて、私が読んでいる手紙を取った。
「ちょ、良いところだったのに〜!」
「もうっ!なんで声をだんだん大きくして読むの?小さい声で読むなら良いとおもって渡したのに…」
「お姉ちゃん自信あるの?」
「え?」
「だって、私にその手紙を渡してくれたってことは、それだけ自信があるってことだよね?」
「ま、まぁね…というか、自信を持っていなかったらこんなに筆圧濃く書けなかったと思うけど…」
お姉ちゃんさすがだな〜。
私なんて…
自分の手元にある手紙を見る。
まだ半分も書いていない。
どうしたら早く手紙を書き終えられるんだろう。
「あさひ、ちょっとその手紙見せてくれない?」
「はい…」
「半分くらい書いたんだね。私が少しアドバイスしてもいい?」
「いいよ。」
お姉ちゃん、優しいなー。
お姉ちゃん、中学生になってからまえよりも優しくなった。
今も、私の手紙に対してアドバイスしてくれている。
お姉ちゃんが告白されるのも無理ないよね…
私と同じで初めて告白するのに、まるで告白の仕方のプロみたい。
なんでも分かってる。
本当にお姉ちゃん、初めて告白するの…?

「お姉ちゃん!できたぁ!」
「で、できた!?」
「うんうん!やっとできたよ!」
「本当?見せて〜。」
私はニコニコしながらお姉ちゃんに見せた。
「す、すごいじゃん!これで明日渡せるね!」
「あ、明日?」
「だってもう渡せる状態でしょ?」
「だけど、今週中に渡そうって思ってたから…」
「早く渡した方がいいよ?渡すまでの期間を長くすればするほど心配しちゃうから。」
「そうだね…」
よし!絶対明日渡そう!
瑠璃ちゃんに心配されないためにも…