放送室は恋の始まり!?

「ねーね、あさひ。この頃どうしたの?」
「ん?何が?」
「最近ぼーっとしてるよ?」
「あ〜。最近はねー、委員会のことで考え…」
「え~~~!そうなのっ!?あさひやるぅ〜♪」
あ…
涼香のスイッチ入っちゃった。
でも、ここで違う話題には変えられないからな〜。
「うん。涼香に言われてから少し考えるようになったんだよ〜。」
「あさひ、偉い!」
「でしょー?」
私たちが今、いる場所は廊下。
中学校に上がっても、涼香との仲は変わらない。
もちろん、クラスの子とも仲は良いけどね!
「…それで、何委員に入ろうと思ってるの?」
げ、それは全く…考えてなかった!
「…まだだよ。えへへ…」
「そっかー。私は一応候補は決まったよ!」
「えっ、早いね!それで、何委員にしようと思ってるの?」
「それがね…」
涼香はきゃっ、と言ったあと、廊下の端の方にダッシュして行った。
「ちょ、ちょっと!どこに行くの〜?」
はぁ、はぁ、はぁ…
久しぶりに走ったから息が続かない。
体育が最近ないんだよね。
「ねぇ、涼香〜!急に走って行かないでよ〜。」
「ごめん、ごめん!でも大事な話なの!」
「大事な話…?」
「う、うん。」
今日の涼香、いつもと違う?
「何?どうしたの?」
「実はさぁ…私、気になる人、できたんだよね…」
一瞬、思考がストップした。
え、え、気になる人…?
涼香に…?
「ど、どういうこと!?」
「もう〜!何回も言わないよ?」
「うん。」
「だから…気になる人ができたのっ!」
「おぉー!良いじゃん♪」
「…それだけ?」
「え、いや、涼香はそんな恋愛なんて興味ないと思ってたから…意外だなーって。」
「そ、それどういうこと意味ー?」
と言った涼香の耳は、赤くなっていた。
「涼香かーわい!」
「…ちょっと!」

「で、いつ気になる人できたの?」
「それがね、一週間まえなの。」
「え、一週間まえ!?早く言ってよ〜!」
「…だって。」
「だって?」
「恥ずかしかったんだもん!!」
「あらら。ごめん!」
「別に気にしてないよ。」
そうなんだ。
涼香も恋愛に興味あったんだ。
私だって全く興味がないって訳じゃないけど。
人のこと好きになったことはあるし。
だけど…
自分に自信がないの。
それは…
小学五年生の二学期のことだった。