「え…」
涼香は、予想外の展開に驚いていた。
「本当にそれで終わり?」
「うん。終わりだよ?」
「なんか、意外…」
そうかな?って言うまでもない。
だって、私の初恋は、自分で壊したんだもん。
なんか変な終わり方だよねー。
って、自分でも思う。
沢田…
小学校で過ごしていたときの日に戻りたいな。
そしたら、初恋は成功で終わっていたかもしれないから…
でも、もう別にいいんだ。
初恋は実らないって言うし。
だから、初恋は忘れよう。
でも、どうしてか、そう簡単には忘れられないんだ。
この終わった初恋、どうしよう…
頭の中においておくのは嫌だなー。
ごみ箱に捨てたい!
「…さひ?あさひー?」
「えっ」
「まただよ〜。あさひ、大丈夫?」
「大丈夫…おかげさまで…」
「あさひー。初恋のことで、何か心残りがあるんでしょー?」
「え」
「私には分かるよ」
「何で?もしかして、涼香って…」
「何?」
「人の心が読めるの?」
「はぁ?な訳あるかいっ!」
「だよねー。あは、あはは…」
涼香、ごめんなさい。
私、今は、なんかのらない気分なんです。
許して?
「あさひ、もしそうなら、初恋のことは忘れようよ」
「忘れたいけど…忘れることができないんだもん」
「じゃあ…新しい恋をして、初恋は忘れよう!」
「それでも無理だよ…」
「無理って何で?」
「だって…」
私は、ぷくぅーっと頬を膨らませた。
そんな私の頬を、涼香はびよーんと伸ばして言った。
「まだ分からないじゃん。分からないのに、何で勝手に決めちゃうの?あさひ…

そんなこと考えるの、あさひらしくないよ。
もっと前向きに考えようよ。
私、あさひのためなら、何だってしてあげる」

「涼香…」
涼香は、私の肩に手を置いた。
そうして、にこりと笑った。
「ね?前向きに考えるって良い言葉じゃない?」
「うん!!私、涼香の言葉、絶対に忘れないようにする!」
「ん。あさひらしく考えればそれで良いんだから。」
「あさひらしく…?」
「そう。あさひらしく〜♪だよ」
「あさひらしくって何?私、前向きに明るくいる方が似合ってるってこと?」
「そう!」
涼香の言った言葉、絶対に忘れないからね!
絶対に、絶対に…