『……っ、ちょっと待ってください、兄様! 皆は本当に悪くないの。そんなの、兄様だって分かっているでしょう? だから、お叱りなら二人を下がらせていいはず……! 』
二人きりで、気の済むまで怒ればいい。
この幼馴染みたちは、いつもように我が儘姫に付き合うほかになかっただけなのだ。
子供の頃だって、そうだったはず。
こんな時、いつだって兄様は二人を巻き込んだりはしなかったのに。
『そうだな。それについては責めるつもりはない。責任がどこにあるのかと言われれば、小雪の性格を知っていて、この期に及んで手をこまねいていた私にある。……だが、一彰』
それを聞いてほっとしたのに、いっそう不安が押し寄せてくる。
(なら……どうして、そんな)
ほとほと呆れ果てたと首を振るのも、いつも通り。
でも、兄様が纏う雰囲気は、怒りが冷めているようには感じられず、一彰の名を呼ばれてギクリとする。
本人も同じだったのだろう、いつものくだけた様子はなく、スッと背筋を伸ばしている。
『今後は、私を通せ』
二人きりで、気の済むまで怒ればいい。
この幼馴染みたちは、いつもように我が儘姫に付き合うほかになかっただけなのだ。
子供の頃だって、そうだったはず。
こんな時、いつだって兄様は二人を巻き込んだりはしなかったのに。
『そうだな。それについては責めるつもりはない。責任がどこにあるのかと言われれば、小雪の性格を知っていて、この期に及んで手をこまねいていた私にある。……だが、一彰』
それを聞いてほっとしたのに、いっそう不安が押し寄せてくる。
(なら……どうして、そんな)
ほとほと呆れ果てたと首を振るのも、いつも通り。
でも、兄様が纏う雰囲気は、怒りが冷めているようには感じられず、一彰の名を呼ばれてギクリとする。
本人も同じだったのだろう、いつものくだけた様子はなく、スッと背筋を伸ばしている。
『今後は、私を通せ』



