明日、雪うさぎが泣いたら


胸がきゅっと締めつけられたのは、それがとても気を遣ってくれたうえでの表現だと気づいたからだ。
恐らく、彼は再会を迷っているのではなく、正しくは望んでいないのだと。


《どうか傷つかないで、雪兎の君。本心ではないのです。ただ、貴女を二度と危険な目に遭わせたくない。その為には会うべきではないと、彼はそう思っているのですよ》


見かねてそうつけ足してくれたけれど、やはり悲しい。
再会を夢見ていたのは――もしかしたら、文字通り――私だけだったのだ。
これほど夢に見るのは、きっとあの子も同じ想いだからだと、勝手に決めつけていた。


「なら、もうそれでいいじゃないか。奇しくも、恭と意見が一致してるんだから。お前はこの世界で、お前を想う男といればいい」


一彰を睨んだけれど、上手くいかない。
逆に睨み返され、やや視線が落ちてしまう。
その後に続けられる言葉を分かっているから。


「お前にその気がないなら、こうは言わない。恭だって承知の上だ。お前のその、どっちも大切で選べないなんていう狡い気持ちをな。だからこそ、どうせ事を起こすならと敢えて大きく出たんだ。あいつの性格からして、確実に負けるような賭けはしない」