「それって、どっちの友人としての助言? 」
兄様か、もしかしたら私の友人としてだろうか。
どちらとも取れるようで尋ねたけれど、小さく唇の端を上げたきり、彼は何も言わなかった。
「相変わらず、辛気くさいとこだな、ここは」
程なく、昨日来たばかりの裏庭に到着した。
途中、珍しい組み合わせに興味津々の視線が痛かったけれど、不愉快そうな一彰を見て皆散ってしまった。
「一彰、怖がってたものね」
昔、何度か一彰も一緒に遊ぼうと誘ったのだが、長閑と同じくあまり来てはくれなかった。
「お前が変なんだ」
「そうかもね。でも、私は悪い感じは全然しないの。もしかして、一彰は何か感じてるの? 」
あの幼い頃でさえ、兄様と二人で救ってくれた一彰なら、成長した今、何か人ならざるものの気配を感じ取っていたりするのだろうか。
だとしても、やはり邪悪なものだとは到底思えないけれど。



