ある意味、一番恋愛対象ではないと言われた気がする。
(っ……だから!!)
自分の考えに幻滅する。
それなら、兄様から告げられたのが本当に愛情だったのなら。
『妻にする』ではなく『好きだ』だったなら、喜んでいたのだろうか。
だとすれば、私はそれを欲しがっていたことになる。
「ううん。兄様は、あの件で余程責任を感じているんだわ。兄様の言う妖怪に連れ去られるくらいならと思っているのよ」
自己嫌悪に駆られ崩れ落ちそうなのをどうにか堪える。
事実、そうだとしか思えない。
もしも私があの夢を忘れてしまっていたら、兄様はこんな手を取らなかったに違いないのだ。
「それもあるでしょうけれどね。でも、少しも気持ちがないなら、異母とはいえ妹には言えない言葉よ。だって……ただ、通われてお話しするわけではないのだから」
長閑は言葉を選んでくれたけれど、さすがの私でも言わんとすることは分かる。
本当に兄様がそうできるのか、その時私はどうするのか――考えるのも辛いけれど。
「仮にそうだとしても、兄様に良くないと思うのよ。私のせいで兄様が傷つく。評判は落ちるし、ないことまで騒がれるわ。お勤めにだって影響がでるかもしれない」
「……そうね。あまり……受け入れられることではないでしょうね。でも、それは考え抜かれたうえでの決断なのではない? それでも、あなたを渡したくはなかったんだわ」
(っ……だから!!)
自分の考えに幻滅する。
それなら、兄様から告げられたのが本当に愛情だったのなら。
『妻にする』ではなく『好きだ』だったなら、喜んでいたのだろうか。
だとすれば、私はそれを欲しがっていたことになる。
「ううん。兄様は、あの件で余程責任を感じているんだわ。兄様の言う妖怪に連れ去られるくらいならと思っているのよ」
自己嫌悪に駆られ崩れ落ちそうなのをどうにか堪える。
事実、そうだとしか思えない。
もしも私があの夢を忘れてしまっていたら、兄様はこんな手を取らなかったに違いないのだ。
「それもあるでしょうけれどね。でも、少しも気持ちがないなら、異母とはいえ妹には言えない言葉よ。だって……ただ、通われてお話しするわけではないのだから」
長閑は言葉を選んでくれたけれど、さすがの私でも言わんとすることは分かる。
本当に兄様がそうできるのか、その時私はどうするのか――考えるのも辛いけれど。
「仮にそうだとしても、兄様に良くないと思うのよ。私のせいで兄様が傷つく。評判は落ちるし、ないことまで騒がれるわ。お勤めにだって影響がでるかもしれない」
「……そうね。あまり……受け入れられることではないでしょうね。でも、それは考え抜かれたうえでの決断なのではない? それでも、あなたを渡したくはなかったんだわ」



