「痩せてたら みんな優しくしてくれるよ。 美味しいものだって、たくさん食べれる。 たくさん食べて細いと羨ましがられる。 何も持ってなかった私にとって 何か羨ましがられるなんてことは なかったんだよ。」 たくさん食べて細いのは羨ましい。 そう周りからずっと言われていた。 何も持ってなかった私が 羨ましいと言われている。 それだけで快感だったのだ。 「細いんじゃなくて ガリガリなの! わかって! 病人みたいなの! 倒れちゃうよ!」 ままの叫びでさえ 私は聞き入れることができない。