年上幼なじみのあぶない溺愛




「さすがにそろそろ準備をしないといけないね」
「あっ、うん……」


 素直に頷いて布団から体を出し、桜色のカーペットに足をつける。

 まずは着替えようと思い、クローゼットの中に閉まっていた制服を手にしたけれど、一向に春哉くんが部屋を出る様子はない。


「あのー、春哉くん……?」
「どうしたの?」

「私、今から着替えるから……」


 さすがに二度も部屋を出ろとは言えなかったけれど、遠回しに伝えたつもりだ。

 きっと春哉くんに伝わってすぐに部屋を出……。


「制服、まだ着慣れなさそう?」
「あ、うん……まだ少しぎこちないなって」


 慣れない制服に身を包むのは少しソワソワして落ち着かなくなる。