「わっ……望美ちゃん?」
望美ちゃんが突然立ち止まってしまい、ぶつかりそうになってしまった。
望美ちゃんの背中で視界が狭くなっていたため、一歩横に移動して彼女が立ち止まった理由を探そうと思った。
すると望美ちゃんの視線の先に、ふたりの男女の先輩がいることに気づいた。
「や、やばい……!」
望美ちゃんは興奮を隠せないようで、必死に声を抑えていたけれど興奮しているのがわかる。
「あの先輩たちと知り合いなの……?」
「は……志羽、本気で言ってる?」
「えっ……と」
「あの男の先輩が霧谷先輩よ!そのとなりに座ってる女の先輩が彼女さん!美男美女の秀才カップル!」
「声デカすぎんだろ……」
もはや声を抑えきれなかったようで、望美ちゃんの大きめな声が図書室に響いた。



