年上幼なじみのあぶない溺愛




「確かにうるさいよな」

 私のとなりに座る江藤くんも同じことを思っていたようで、望美ちゃんに共感の意を示していた。


「あっ、そうだ!ここの図書室に行ってみない?学内見学でまわったとき、図書室って結構快適だった気がする!」

「今から移動すんのかよ」
「志羽も図書室だと集中できるよね!?」

「う、うん……!」


 勢いで返事をしてしまったけれど、外が騒がしいのは確かだった。

 静かな空気が流れる場所で勉強したほうが捗る気がする。


「じゃあ決まりで!早速移動しよう」

 どうしてか嬉しそうに話し、ニコニコと笑っている望美ちゃんに少し違和感を覚える。

 その違和感を抱いたのは私だけではなかったようで、火神くんが望美ちゃんに指摘していた。