年上幼なじみのあぶない溺愛




「そっか……志羽は俺と一緒に行くのが嫌なんだね」
「そ、そんなことはひとことも……!」


 ダメだ、春哉くんがわざと悲しそうな顔をしているのはわかっているけれど、折れてしまいそうになる。

 ここで私が了承すれば、きっとすぐに笑顔になるのだろう。


「志羽は俺が嫌い?」

「……っ、わ、わかったから!駅!家の最寄り駅までなら一緒で大丈夫……!」


 さすがに学校まで一緒は無理だけれど。
 平穏な学校生活を送るために、それだけは譲れなかった。


「それでも駅までか……」
「嫌ならナシで!」

「そんな悲しいこと言わないで?じゃあ駅まで一緒に行こう」


 春哉くんは優しい笑みを浮かべると、私の頭にそっと手をおいてきた。