「志羽?」
「……ら……」
「え?」
「どうしたら純粋じゃなくなれるかな……!?」
一刻も早く大人の女性を目指したくて、美人で大人びている望美ちゃんのような人になりたい。
ただ、そのためにはどうしたらいいのか、なにが近道なのかわからなくて、まずは純粋さというものをなくしたいと思った。
けれど……。
「あははっ!そういうところだよ志羽!」
なぜか望美ちゃんに笑われてしまう。
さらに寝ようとしていた火神くんまで、堪えるようにプルプル肩を震わせながら笑っていた。
火神くんのとなりに座っている人までも笑っている。
なんなら前後の人たちにも笑われていそうな気がして、なにか変なことを言ってしまったのだと気づかされる。



