ついに、春哉くんの彼女になることができました。


「春哉くん、本当にいいの?」

「俺は大丈夫だよ。むしろ学校でも志羽に会えるんだって思うと嬉しいくらい」

「でもきっと迷惑で……」

「戸崎さんも瑞樹も藍原さんも、みんな志羽に会いたいって言ってるから」


 すっかり熱も下がり、今では毎日楽しく元気に学校へと通えている。

 まだ春哉くんとは付き合って間もないけれど、充実した日々を送れていた。


 いまは夏休み前にあるテストの期間に入っており、望美ちゃんが『春哉先輩たちと一緒に勉強したい!』と頼まれ、ダメ元で春哉くんに話したけれど、なんと春哉くんたちは一緒に勉強して良いと言ってくれた。

 てっきり断られるとばかり思っていたため、逆に私は不安になっていた。


「ありがとう」

「ちなみに一緒に勉強するのは志羽と前嶋さんだけかな」

「あ、えっと……たぶんそうだと思う!」
「たぶん?」

「いや、前回は火神くんたちもいたから……わからないなって」


 ただ、この話をしていたのは望美ちゃんとだけである。

 だからたぶん、私と望美ちゃんだけのはずだ。


「志羽と前嶋さんだけ来たらいいからね」
「え……」

「男は必要ないから」
「……?」


 春哉くんの声のトーンが少し落ちた気がする。
 やっぱり人数が多いのは好ましくないのだろうか。

 いや、好ましくないと思って当然だ。
 人数が多いと喋ってしまったり、騒がしくなって集中力が削がれるかもしれないのだ。