「い、いえ!志羽が心配だったので……ねぇ火神!」
「……そうだな」
望美ちゃんはまだおどろきを隠せていない中で、春哉くんに言葉を返している。
どうしよう、ちゃんと説明しないと……。
「あの、もしかして……春哉先輩が志羽の幼なじみ、なんですか?」
うまく頭が働かないでいると、とうとう望美ちゃんから質問される。
それも私ではなく、春哉くん本人に尋ねていた。
これはもう言い訳などできない。
春哉くんも同じことを思ったのか、素直に認めていた。
「うん、そうだよ」
春哉くんが認めた途端、望美ちゃんが目を見開き、満面の笑みを浮かべて私を見た。
「うそー!志羽、なんで隠してたの!!え、なにこの展開胸熱すぎない!?ねぇ火神やばくない!?」
「……うっせぇ」
「あれ、火神は春哉先輩が幼なじみって体育祭の日に知ったんだよね!?どうして言ってくれなかったの!」
「宮下が黙ってるのに、俺が言えるわけねぇだろ」
「あ、確かに……」
やっぱり火神くんは私が隠していることを知っていて、あえて黙ってくれていたようだ。
「志羽、横になろう。熱は下がっているとはいえ、まだ熱があるんだからね」
「……うん」
春哉くんに従い、私はベッドへ横になる。
そんな私を見て春哉くんは優しく微笑み、頭を撫でてくれたけれど……ふたりの前でこんなことをされるのはやっぱり恥ずかしい。
布団で顔を隠したけれど、春哉くんに「息苦しくなるよ」と言われ、布団を肩の位置まで下げられてしまった。



