「え、志羽?急に顔色が悪くなったけど……」
慌ててスマホを手にして、春哉くんに連絡しようと思ったけれど。
少し前に春哉くんからメッセージが届いており、『いま駅に着いたけど、なにか欲しいものある?』というものだった。
急いで文字を打って返信しようとしたときだった。
微かに部屋の外から足音が聞こえてきた。
さらに部屋のドアがノックされ、もう遅いのだと悟った。
私だけではなく、望美ちゃんと火神くんもドアに視線を向ける。
「志羽、寝ている……?」
ゆっくりとドアが開く中、優しい春哉くんの声が聞こえてきて。
鼓動が速まり、どうしようかと思っていると、ドアから春哉くんの姿が現れた。
「……え」
望美ちゃんは目を見開き、おどろくような声を発したあと、数秒間部屋は沈黙に包まれた。
一方で火神くんと春哉くんの表情が崩れることなく、むしろ互いに視線を合わせているような気がする。
なんとなく不穏な空気だなと思っていると、ついに望美ちゃんが春哉くんだと理解したようで、大きな声をあげた。
「しゅ、春哉先輩!?えっ、どういうこと志羽!?説明して!」
「えっと、あの……」
望美ちゃんが私の両肩に手を置いて、興奮気味に迫ってきた。



