「宮下がバカで鈍いのは知ってるだろ」
「ひ、ひどい……!」
止めてくれたかと思いきや、軽く貶されてしまう。
バカで鈍いって……そんな、わかっていても本人に言うのはどうかと思う。
「でもまさかここまでとは思わないでしょ!」
けれど望美ちゃんも否定するどころか、肯定するような口調に、私は大ダメージを喰らってしまった。
「ふたりとも、いじわるだ……」
「……ご、ごめん志羽。つい勢いで……悪気はなかったんだよ?それにほら、志羽は鈍感なところも可愛いし……!」
落ち込んでいると、望美ちゃんが慌てた様子でフォローしてくれる。
けれどやっぱり否定はされず、悲しくなった。
「そ、そういえば!幼なじみは熱出したこと知ってるの?あ、でも知ってたら心配して来るよね。じゃあ隠してるの?」
「……あ」
「えっ?」
望美ちゃんがわざと明るい声を出し、春哉くんの話をされたけれど。
そのとき、ようやく今の状況が危険であるとわかった。
だって、もう学校は終わっている時間だ。
つまり、春哉くんがいつ私の家に来てもおかしくなくて……。
さーっと顔から血の気が引いていくのがわかる。



