「なんとか、転ばずに降りれました」
頑張って降りて良かった。
ふたりが来てくれたおかげで、ひとり寂しい思いをしなくて済んだ。
「ほら、横になれ」
「ありがとう」
火神くんに支えられながら部屋に着き、ベッドへと横になる。
火神くんの手つきは優しくて、私を気遣ってくれているのがわかった。
「なに熱なんか出してんだよ」
「うっ……ごめんなさい」
呆れた様子で火神くんに見下ろされ、謝ることしかできなくなる。
「まあ、元気そうで良かった」
「えっ……」
「うまく行ったみたいだな」
私の態度を見て春哉くんと仲直りしたことを察してくれたようで、思わず顔が綻ぶ。
「うん……!本当にありがとう、火神くんが背中を押してくれたおかげで……」
「別に、感謝されるようなことなんてしてねぇよ。結局は自分で動いたんだからな」
「だけど火神くんの言葉がないと私……」
勇気を出そうって思えなかった気がする。
どうしようって考えるばかりで、どうしたいかと考える余裕すらなかったのだ。
「そんな姿で礼を言われても嬉しくねぇな」
感謝の気持ちを伝えたけれど、呆れたようにため息を吐かれてしまい、ギクリとした。



