火神くんは私のそばに来たかと思うと、望美ちゃんから私を受け取る形で、腰に手をまわされ体を支えてくれた。
「歩けるか?無理なら背負うけど」
「お姫様抱っこでもいいんじゃない?」
「うっせぇ、いまはふざけるところじゃねぇだろ」
背負う……お姫様抱っこ!?
そんな重いことをさせてしまうのは申し訳なくて、勢いよく歩けると答えた。
「ん、じゃあ歩くぞ。家あがって大丈夫か?」
「う、うん……それは、もちろん」
「あっ、志羽!私キッチン借りていい?ぜったいになにも食べてないでしょ」
「うっ……」
望美ちゃんにご飯が食べていないことを見抜かれ、なにも言えなくなる。
「食べやすそうなゼリーとか買ってきたから安心して!」
「あ、ありがとう……!」
ふたりとも学校帰りにわざわざ私の様子を見に来てくれたようで、その優しさに胸が温かくなる。
さっきまでの寂しさも、いつのまにか消えていた。
「宮下が寝てる部屋ってどこだ」
「あ、2階に……」
「2階か……よく転ばずに降りてこられたな」
あんなフラフラだったのに、と火神くんはどこか厳しめの口調で私にそう言った。



