「妹みたいに思っているなら、普通は心配するだけで関係を絶つようなことしないって。それに怒ってたんでしょ?完全に嫉妬じゃん」

「でも、あんなに怒る姿は初めてで……」

「それって進展してるってことでしょ。いつしか志羽のことを女としてみてたってね」

「女として……?」


 春哉くんが怒る姿をこの目で見ていたため、望美ちゃんの言葉を受け入れられない。

 それに、もし本当にそうだったとしても、私が春哉くんを怒らせてしまったことに変わりなくて、嫌われてしまったのだ。


「でも、きっと……」
「じゃあ宮下はこのままでいいんだな」


 きっと春哉くんは私を嫌い、幼なじみをやめたいと思っている。

 俯き加減でその事実を伝えようとしたけれど、私の言葉を遮るように火神くんが口を開いた。


「相手といまの関係が終わって、それで宮下はなにもせずにいるのか?」


 私の目をじっと見つめる火神くんの表情は真剣だった。

 春哉くんを怒らせて、嫌われて……幼なじみの関係が終わってしまい、もうずっと春哉くんと関わることがなく毎日を過ごす……?


 そんなの嫌だ。
 このままで終わりたくない、終わらせたくない。