年上幼なじみのあぶない溺愛

「あの、私は宮下志羽っていいます」
「……あっそ」


　彼の名前を聞きたくて、まずは自分が名乗ることにした。

　けれど彼はそっけない返事をするだけで、名乗ってくれず、どうすればいいのかわからなくなった私はじっと見つめるほかなかった。


「……あー、うっせぇなその視線」
「え、私は喋ってなんか……」

「火神」
「……へ」

「火神純希(ひがみじゅんき)。これで満足か？」
「……っ、火神くん！」


　私の視線で伝わったようで、ようやく名前を聞くことに成功した。

　火神純希くん、もう忘れないぞ。