火神くんはしばらく立ち止まることなく、店の外に出てしまった。
外はすでに暗くなっており、日中に比べて肌寒く、風が当たるとヒヤリとした。
「あの、火神くん……どこまで」
「外は熱冷ましにちょうどいいだろ」
「え……」
「前嶋の言うとおり、すげぇ顔が熱くなってた」
「あの、クラス代表として用があるって……」
「んなもん適当についた嘘に決まってんだろ」
そんな、すっかり私も騙されてしまった。
ということは、つまり……。
「私のために……?」
「明らかにひとりだけ様子がおかしかったからな」
「あ、ありがとう火神くん……!」
本当に救世主だ。私の異変に気がついてくれたうえ、あんな嘘までついて外に連れ出してくれたのだ。



