「ね、志羽も行くよね!」
「えっ……?」

「春哉先輩と写真!同じ団だから、尚更チャンスなんだよ!」


 私に顔を近づけて、興奮したように話す望美ちゃんを前に、嫌だという言葉を口にできるわけがない。

 けれど頷くこともできず、変な間が流れてしまう。


「志羽は春哉先輩のことであまり騒がないけど、やっぱり片想い中の幼なじみがいるから興味ないの?それとも幼なじみのほうがかっこよかったり!?」

「……えっと」

「えー!春哉先輩よりイケメンなんてこの世に存在する!?それでも肩を並べるくらいにかっこいいとか!霧谷先輩も春哉先輩に負けず劣らずかっこいいからね、この世にイケメンはもっといてもおかしくないはず」


 望美ちゃんはイケメンが大好きだと言っていたけれど、彼氏にするとなればまた少し違うらしい。