「志羽はもっと警戒心を持たないと。実際に軽い男とか、いい顔して悪い男とか普通にいるからね」

「えっ……私たちの高校に?」
「そうだよ」

「そ、そんなに治安が悪いの……!?」


 学力のレベルが高いため、てっきりまじめな人たちばかりで溢れているものだと思っていた。


「だから気をつけるんだよ」
「わかった……!気をつける!」


 春哉くんの忠告に何度も首を縦に振る。

 すでに2年間、私の通う高校で経験を積んでいるのだ。春哉くんが正しいに決まっている。


「……いい子」


 春哉くんは忠告を聞いた私に安心したのか、微笑んで頭をぽんぽんされる。

 私は子供扱いされているようで少し不服だったけれど……安心してくれたのならよかった。