「俺にもっといろいろな志羽を魅せて」

 春哉くんが笑ったかと思うと、私の着ている服の襟元に指をかけてきて……。


「……っ、しゅ、春哉くんはお疲れですか!!」


 とっくに限界なんて超えていた私は、おとなしくするという約束を破ってまで春哉くんから離れることを決意した。

 春哉くんも私が離れるとは思っていなかったのか、そこまで抱きしめるのに力が入っておらず、簡単に離れることができた。


「……志羽?」

「きっと、今日の春哉くんはお疲れなんだよ……!!そうだよ、だからぜったい安静!わ、私はもう帰ります!」


 一方的に話した私は、春哉くんの返事を聞かずに逃げるようにして春哉くんの家を後にする。