「俺を追いかけてるの?」

「もちろんだよ!春哉くんの幼なじみとして、ふさわしく……」

「もう十分ふさわしいよ。俺が羨ましがられる立場だな」

「それはないよ!春哉くんは人気者で、1年生の間でも有名なんだよ」


 春哉くんは誰にでも優しくて、きっとこれまでに多くの人たちが春哉くんを好きになっただろう。

 中学のときに十分思い知らされた。
 それに私と同じで、現在進行形で好きな人も多いはずだ。


「だけど今のところ、1年生と関わりなんてないよ?」

「それはもう……こう、春哉くんの存在自体がかっこよくて優しい雰囲気をまとっていて、柔らかな声も表情も……」


 そこまで言いかけて、ハッと我に返ったけれど、すでに遅く。

 春哉くんが嬉しそうにニコニコと笑っているのを見て、恥ずかしくなった私はぶわっと顔が熱くなる。