これを愛というのなら

その日から、私を利香が待っていてくれて。

利香と駅まで行くようになったり、

クリスマスディナーのために、夜遅くなる蓮は車で出勤していて。

当然、早く終わる私は厨房で待たせていたり。

チーフが車で来ている日は、チーフと利香が送ってくれたり。

過保護すぎる毎日を送っていた。



「私は大丈夫だから、先に帰っていい?」


蓮に言っても、俺が嫌なんだよ、と。

梓に何かあったら、って言われて何も言えなくなった。


利香にも、申し訳ないしチーフにも申し訳なくて。


「いつも、ごめんね。 チーフにも申し訳ないよ」


利香に言ってみたけれど、蓮と同じ答えが返ってきた。


だから、素直に甘えている。

おかげで、坂口くんの誘いもなくなった。





そんな毎日から10日経ってーーー。

今日からクリスマスディナーの日で、

蓮だけじゃなく、坂口くんも遅いし。

さすがに蓮の目の届く範囲に、坂口くんは居るし、

利香に、今日は大丈夫だよって。


「なるべく早く帰って、ご飯作ってあげたいし」


そう伝えると、わかった、と言ってくれて。


昨日、蓮に話した時も、


「わかった。ただし気をつけて帰れよ」


いつものように頭を撫でて言ってくれたのもあって、

朝に預かっていた蓮の車の鍵を握りしめて、駐車場まで来た時ーー。


厨房の勝手口を出た所で、、、

島田さんに抱き付かれている蓮がいて。

はっきりとは聞こえないから、何を島田さんが言ってるのかはわからないけれど……

抱き付いたまま蓮を見上げている。

蓮は、蓮で島田さんの瞳をしっかり見据えている。


離れなきゃと思っても、足がすくんで動かない。

利香も言ってた。

こういう時って本当に、足が動かないんだ。


それなら、しっかりと見届けようと、腹を括った。

蓮なら大丈夫!

何度も自分に言い聞かせて。