これを愛というのなら

夕方の空が茜色に染まる頃ーーー。


「パパ!ママ!おやつも食べたし、宿題もしたよ!」


「今日はね、アップルパイ食べたよ!」


「うん、美味しかった!」


子供たちが店の扉を開けるとすぐに、カウンターの前で口々に話してくれる。


蓮とカウンターに回って、二人で蹲んで。


よかったな、と蓮が頭を撫でて。

宿題ちゃんとして偉かったね、と私も頭を撫でると、うん!と同時に頷いて、満面の笑みをくれる。


「パパはまだ、お店があるからママとお家に帰って待っててくれる?」


「うん!今日の夜ご飯はなに?」


「今日はね、誠も愛も幸も好きなパパのハンバーグとポテトサラダだよ。お家でママと食べようね」


やったぁ!!!と愛と幸がジャンプして、誠が。

今度の遠足のお弁当にもパパのハンバーグ入れてね?


わかったよ、と蓮が優しいパパの笑顔を向けると、

子供たちの後ろで、お姉さんが微笑みながら。


「ほらっ!唯ちゃんもパパとお店があるから、ママと帰ってお利口さんにお風呂入って、ご飯食べるんだよ?」


わかった!


お姉さんからランドセルを受け取って、子供たちが背負うと。

一緒に立ち上がって、蓮から夜ご飯を受け取って、


唯ちゃん、また明日ね!

パパ、早く帰って来てね!

お利口さんに待ってるからね!


手を振った子供たちと家に帰る。


子供たちと、お風呂に入ってご飯を食べて、3人が遊んでいる間に片付けをして、子供たちに明日の用意をさせて、ひと息つくと蓮が帰って来る。


子供たちが産まれてからは、店が落ち着く時間帯からはお義父さんが代わってくれて、後片付けもお義父さんとお姉さんがしてくれている。


パパ!おかえり!と、蓮の足に3人が抱き付いて。

一番パパっ子の愛が、抱っこ、と蓮にせがむと。

ちょっと待って、と愛の頭に手をポンっと置いてから、おかえり、と見上げた私にキスをしたあと、愛を抱っこして。

私は、誠と幸と手を繋いでリビングへ。


いつもの当たり前の光景も毎日、幸せだと思える。



蓮はお風呂に入ってから、

3部屋あるうちの一部屋の子供部屋の2段ベッドの、上段に誠、下段に愛と幸を寝かせて。

愛と幸が好きな絵本を読んで、誠が好きな絵本を読んで、寝かし付けも一緒にしてくれる。


子供たちが寝たあとは、二人の時間。

こうやって出来る事はお互いに協力し合って、二人の時間を作る、夜泣きも落ち着いた頃に蓮と決めたルール。

もちろん。

お義父さんとお義母さんとお姉さんの、協力があってこそ。




「今日の夜は忙しかった?」


「そうでもないよ。仕込みも出来たし」


「そっか、お疲れさま」


ソファーに胡座で座っている蓮の足に、頭を乗せて寝転がると、髪を梳かすように撫でてくれる。


あるグルメ雑誌に、3年前に掲載されてから評判になった店は、3年前から昼夜問わず忙しくなった。

それでも。

子供たちとの時間と私との時間も取りたいと、日曜日も定休日にしてくれた蓮にも、承諾してくれたお義父さんとお義母さんとお姉さんにも、感謝しても足りないくらいだ。