これを愛というのなら

はじめて見る蓮の身体は、無駄な肉がついていなくて、



引き締まっていて肌も羨ましいくらいに滑らか。






蓮に与えられる快感。



こんなに気持ちのいい情事は初めてで、



自分では聞いたことのない甘い声に驚く。





ひとつに繋がった時に、急に快感の中で怖いって思った。






「ねぇ…蓮…?」




「…なに?」




「今さら…なんだけど…今まで…通りで居られる…?」





そう、今までみたいな関係じゃなくなることが、怖いの。



好きって気付いてしまったから余計に。





「…今まで…通りだろ?怖いのか?」




「うん…」




「今さらだな…本当に」





大丈夫だから、と吐息交じりの甘い声で囁いてくれた。




魔法の言葉のように、怖さが消えていく。






「可愛い…」




限界に達した時、もうダメ、と呟いた私に蓮はそう言った。





本当なら、好きって言葉が欲しい。



だけど、贅沢は言えない。





そのあとも、裸のまま、夢中で戯れて。




お互いが満足した頃には、呼吸も乱れていて。




疲れ果てた身体を優しく蓮の腕が包み込んでくれた。





「おやすみ」





唇にキスをくれた時には半分、私は夢の中にいた。




だから、この時に蓮が言った言葉を、私は知らなかった。




それを聴くのは、もう少し先のこと。