これを愛というのなら

妹の友恵さんから、松田くんが入手してきたリスト。


小野くんとパソコンで目を通してーーー、


「大手から攻めるか?」


「そこは任せるよ。とりあえずは…会社側の負担を減らせるように、色々考えてみたんだ」


意図が何なのか、頭の回転が早い蓮はすぐに理解して、小野くんと話しているけれど……私は少し考えないとわからない。


その間にも二人の話は進んでいて、やり取りのひとつひとつを拾い集めて理解するのに必死だ。

子供達を、おじさんとおばさんに預けて来ていた奈々枝さんも同じのようで。


ソファーに座って話している二人を、ダイニングチェアから見ながら、


「梓ちゃん、理解できてる?」


「何となくは……理解する前に話が進んでるから……」


「そうだよね……この前、皆を集めて話した時も完璧な説明で、皆を纏めたもんね」


「そうそう!あれは凄かった!」


まず皆が反対かの意志を聞いてから、

松田くんが不利になるような、友恵さんの事は省いて、知り合いと伝えて。

丁寧な分かりやすい言葉で、無駄なく今からしようとしている事を、簡潔に纏めて説明して、

それを否定する人は誰一人居なかった。

皆は一様に感心していて、任せたぞ。



「奈々枝さん、惚れ直したんじゃない?」


「うん!結婚して7年経って惚れ直すとはね」


照れている奈々枝さんは、頬杖をついて惚
れ直した旦那様を、瞳にハートを出して見ている。

普段は、小野くんと店の切り盛りと子育てに奮闘してる顔とは違う、女の顔。



「梓ちゃんも惚れ直した?」


「うん!惚れ直してる。あの、頭の回転の早さに振り回されたりしたこともあるけど……助けられたことの方が多いかな。今も助けられてる」


「そうだね、私も。たくさんサプライズに振り回された」


奈々枝さんから、小野くんの数々のサプライズ話を聴いて。


私も蓮に助けられた話や振り回された話をしていると、

いつの間にか話が終わっていたらしい二人の視線を感じる。



「終わったぞ!」


「奈々枝、帰るよ。ちょっとは息抜きできた?」


出来たよ、と可愛い笑顔を小野くんに向けた。


そうか!

小野くんは、たまには息抜きしてほしくて連れて来てくれたんだね。