何時間経っただろう。

この部屋には時計が無い。体感だと2、3時間くらいだろうか、その時は急にきた。真っ黒だったモニターに髑髏の仮面をつけた人が映った。叫び回る気力は無い。

「師走ルカさん、おめでとうございます、あなたは選ばれました」

何、誰、私はただじっとモニターを見つめていた。

空気は重い。私は早く家で死にたいだけなのに、モニターの男が話し出す。

「私の名前はアイカワ、天使です」

「天使?どういうこと?」

「はい、すぐには理解出来ないと思いますがあなたは選ばれました、これからゲームに参加してもらいます。神のゲームです」

何を言ってるのだろう、理解が追いつかない。

「ここはどこ?帰りたいんですけど」

「ここは狭間の世界、この世のでもあの世でもありません、申し訳ありませんがあなたはこのゲームが終わるまで帰れません」

「出られないの?」

「はい、あなたはゲームに参加する時以外はこの部屋からは出られません、ただし何か欲しい物があれば可能な限り差し入れしたいと思います」

「いや、もう帰りたいんだけど」

「それは出来ません、貴方はこのゲームが終わるまで帰ることは許されません」

「何それ、誘拐?犯罪?現実?」

「はい、現実です。確かに理解するには時間がかかるかも知れませんが、ここは今確かに起きてる現実です」

分からない。理解が出来ない。帰りたい。