「ちぃちゃん、待ってたよ!」

はっとして振り向いたら、とびきりの笑顔の中川さんがいたーーーーーーーーーー。
何というタイミングなのーーーーーーー。


「コ、コンバンハ」

「あはは!!
 何それ!!」

いやいや、笑えん。 
ランチの時の事もあり、余りにもタイムリーな人に会ってしまって動揺が隠しきれず片言になってしまった。
ふぅ~
気を取り戻そう。。。

「おっ、お仕事お疲れ様です。
 こんな所で会うなんて珍しいですね。
 今まで外回りですか?」

「う~ん。ハズレ!
 せっかく付き合い始めてもちぃちゃん、全然連絡くれないからさ。
 待ち伏せしてみた。
 っていうか、敬語に戻ってるけどなんで?」


そう言っていきなり頬にチュッとキスをされた

「そういう約束だったからね!
 さあ!お腹空いたからそろそろ行くか!」

今度は突然、手を繋いて歩き出した。
物凄く強引なのと慣れている感じに嬉しい感情とチクッと胸が痛む感情の板挟みになった。

「どっ、どちらに?」

「今日は俺の家でいいよね?
 昨日も話したけど実家から色々届いたから夏だけど、鍋でも食べようって話しただろ?
 肉が無いからスーパーに寄って飲み物もついでに買うかーーー」

「昨日って納涼会でしたよね……?」

「そうだけど?
 あ!そうだ!
 後で再確認するけど、ここでも言わせて。
 俺のいない飲み会でのアルコールは禁止します。
 乾杯の一杯もだめです。
 いい?分かったら返事。」

先ほどまでのキラキラ笑顔と違い、怒りのような真剣な顔と少し低めの声で釘を刺された。


「……は、はい。
 分かりました。」チュッ。

は!? 
またもや!!
抗議の目中川さんを睨みキスされた頬を両手で抑える。 
まったく、油断も隙もない。





一つ、分かったことがある。
彼を怒らせるのは危険らしいと肝に命じる。





加奈が言ってた、言葉が頭を過る。





彼を信じるいいのかなーーーーーーーー?






気持ちを認めても良いのかなーーーーーー?