「万里加さん、女の装飾物ってなんであんなに高いの」
黙っていてもそばでぎゃんぎゃんとうるさいから、口を開いたら。
「あ、敬語!敬語しろ!」
「はあ…」
「ため息つくな!」
「女の指輪はなぜあんなに高いのですか」
「そのため息かい」
お前につくため息なんかない。
「ていうか、えーイケメンだからって生意気。ブランドもんとか買おうとしてんでしょ」
「…女もんむずいね」
「あはは、悩んでんだ?」
「一生悩んでる」
「…別に安くてもいいじゃん。どんなんでも普通、よろこぶんじゃん?」
よろこばねーよ。
高くても安くてもなんであってもよろこばない、指輪なんて渡したら、絶対。
良くて返品、悪くて受け取り拒否。
動揺して荒ぶって首を横にぶんぶん振る仁乃が、目に浮かぶようだ。
『幼なじみだし!』
言い張る仁乃の声が聞こえるようだ。
で、もうちょい踏みこんだら泣くね、100%。


