無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験










高1の、春。



デパートのショーケースに並ぶ小さな指輪たちのそばには、ガキには手の届かない数字の書かれたプライスカードが添えられている。


指輪なんかよりその価格自体に意味があるみたいだ。

馬鹿馬鹿しい。


鼻で笑って次に向かった雑多なアクセサリーショップの指輪は、どれもこれもおもちゃみたいで気にいらない。

今の持ち金で買えるけど。


…俺が仁乃に、こんなおもちゃを渡すってか。


さらさらごめんすぎ。



婚約指輪の相場は、社会人の給与3ヵ月分らしい。

今の俺に置き換えて計算すれば、ざっとバイト代2年分。


2年先なら、まあ、ちょうどいいか。


そう思って1年の春からはじめたバイトだった。

光太郎の家の酒屋は学校から近かったし、シフトは結構融通が利く、時給もそんなに安くない、だから色々と好都合だった。




それだけだった。