無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験







「ちょっと遅めのランチでも…って思ったけど、そんな感じじゃないか」



モールの一番端っこのベンチに座って万里加さんのシフトが終わるのをずっと待っていた私に、優しく笑って万里加さんは言った。



「…突撃訪問してしまって、本当にすみません」

「あははは突撃訪問ってウケんね、バラエティみたいね」

「すみません本当に…」

「謝らなくていいよぉ全然」



にっこり笑ってすぐそこの自販機に向かう万里加さんを、立ち尽くしたまま見つめる。


制服で来てよかったと、心から思った。

シンプルなシフト着から着替えたのだろう、上品なブラウスにひざ丈のタイトスカートを纏った万里加さんが、相変わらずとても綺麗だったから。



「もともとシフト2時までだったし午後授業ないし、ちょーど暇だったし」


自販機にお金を入れボタンを押して、振り返った万里加さんが言う。



「いつかこうなるだろうなって思ってたし」


自販機から取りだした缶をふたつ持って、そのひとつを私に差しだしてくれた。