無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験



そもそもちょっとおかしかったんだ



体育が嫌いな壱が、あんなまともにバスケするなんて、ちょっとおかしかったんだ。


なにかあったんだ、光太郎くんと。



体育館につくと、うちのクラスの男子とB組の男子がオーディエンスになって盛り上がっている隙間をかき分けて進む。


汗臭いんだよバカ男ども!


ようやくオーディエンスの最前列まで辿りついて見ると、まじめくさった顔の壱がゴールを見据えてボールを掲げているところだった。



光太郎くんはうんざりした顔でそれを見ながらその場でドリブルをしている。



「壱!!!」



大声で叫ぶと、壱はボールを掲げたまま私のほうを見た。



「5限、はじまる。帰るよ」



少し怒った声で私が言うと、壱は。




「左手は、添えるだけ…」




かの名言を呟いて、す、と私から視線を外し、ボールを宙に投げた。