とにかく。
誰にも見られていないことを祈る。
そして私はセコムに入る。
そんなことを考えていた中休み。
「…私、見ちゃったんだよね~」
つかのまの休息に騒がしい教室の後方、ロッカー周辺。
新田ちゃんがにやり、笑って声をひそめて言うので、私は思わず目ん玉をひんむいた。
どこでなにをどこでだれをどこでなんのだれのろちゅー…。
「人違いじゃない?!」
勢いあまって言ってしまうと、2人がちょっと顔をしかめて私を見る。
しまったフライングだった…!
穴があったら入りたい…!
2人の観察するような視線を、にっこり笑ってごまかすと。
新田ちゃんはすぐに切り替えるようにして、小声で言った。
「…人違いじゃない、あれは光太郎だった」
こうたろう?
「昨日の夕方、女の子と手繋いでたの」
それはつまり…光太郎、彼女できたってよ?


