「なんだ、やっぱ覚えてんじゃん。俺が相原にボコられた理由」
「見てた壱がブチ切れて、山村くんに馬乗りフルボッコ」
「まじで殺されるかと思ったぜ?」
「ごめんなさい…」
私はゴツッとテーブルに額をくっつけて、謝る。
おでこ、痛い。
遠い記憶、最近、鮮明に呼び覚まされた記憶。
「あの時は相原恐えーとしか思わんかったんだけどさ」
テーブルに突っ伏したままの私に、山村くんがなぜだかとても優しい声で言う。
「成長する度に俺、相原すげえなあって思うんだよ」
壱が、すごい?
「俺、この先あんなふうに誰かを大事に想えんのかなあって。そりゃーあの時まだガキだったし、相原も衝動的だったと思うよ。でも…大きくなればなるほど思うんだよ。あの時の相原、男だったなあって」
男。
「好きな子のスカート覗いた相手をフルボッコって、できそうでできねーよ?」
好きな子。


