途中までっていったって、校門を抜けて5分歩けば分かれ道だ。
私は家に、壱はバイト、光太郎くんとこの酒屋に。
「じゃーね」
私の鞄を差しだして、壱が言った。
ずっと持たせてしまっていたことにようやく気づいて、ごめん、と鞄を受けとる。
一瞬だけ、合わせないように意識していた視線が合わさって、慌てて逸らした。
壱はなんで、そんな、普通なの。
なんて、聞けない。
きゅ、と下唇を噛んだら、壱がなにか言おうとしたけどその時。
「あっれ?もしかし相原と安達?」
聞きなれない少しだけ甲高い男の声が聞こえて、私は俯いていた顔をあげた。
隣の壱も、ゆっくり声のするほうへ視線をやる。
そこにいたのは。
茶色に染めた髪にゆるくパーマをあてて、隣町の高校の制服を着た…
「山村拓馬…?」
私は驚きを隠しきれなくて、無遠慮に指さして言った。
「あ、覚えてる?つーかフルネームやめろや」
山村拓馬は軽く苦笑いして右手をぶらぶら。


