陸side


取材からしばらくして発売された雑誌は、思ってた以上の反響を貰った。

“美男美女幼馴染の最強タッグ”
“桜楓の正体は若き美女だった!”

などと、色んな題名のついたネットニュースがたくさん出てきてて…

「なっつんおは〜。こないだ振り!」

「おはよ!」

以前にも増してなっつんと電話する回数も増えて、学生の時のような距離感に戻れた感じがなんか嬉しかった。

「雑誌めっちゃ話題なってるな?」

「やばいんやけど…めっちゃ職場でも質問ぜめされてさ、
私の事知ってる人なんかおらんと思ってたのにやで?!ありがたい事に皆さん読んでいただいたことあったみたいでめっちゃ恥ずかしいねんけど、」

未だに自分が、桜楓が世間に知れ渡っていると言うことを信じてないらしい。

いやまぁ、あの日は俺も最後まで本物のなっつんか半信半疑やったけど?
主演の話を貰ってから小説読ませてもらって、まさかそれを幼馴染が書いてるとか思わんやん?!

「実はさ、俺も東京引っ越すことにしてん!だから会える頻度高なるわ〜」

「えっそうなん!?え〜それは嬉しい!また昔みたいにいっぱい遊ぼうなっ」

「…俺ふーがくんに殺されん?大丈夫?」

「許可は出てる。」